2011年11月11日

草加店のおすすめ本

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草加店 文芸書担当オススメ本

「消失グラデーション」  長沢 樹  角川書店

とある高校のバスケ部員椎名康は、ある日、女子バスケ部のエース網川緑が校舎の屋上から転落する場面に遭遇する。康は血を流し地面に横たわる緑を助けようとするが、わずかの隙に緑は目の前から忽然と消えてしまう!? 監視された空間で起こった目撃者不在の少女消失事件。複雑に絡み合う謎と真相に、多感な若き探偵たちが挑む!

横溝正史ミステリー大賞という賞の今年度大賞作品です。
こういった賞の推薦文やコメントは大げさすぎて腑に落ちないことが多いのですが、馳星周さんのコメントがまさしく!!と珍しく納得してしまいました。
以下引用させて頂きます。

『わたしはこの作品を質のよい青春小説として読みはじめた。今時の高校生たちがリアルに、そして躍動的に語られ、何度も感心させられた。
しかし、なにかが妙なのだ。書き手は作品世界を丁寧にこしらえているのだが、ところどころが破綻している。平らにならしたグラウンドのところどころにぽっかりと穴が開いている、そんな感じを受けるのだ。
せっかくいい形で物語が進んでいるのにどうしてこんな描写をしてしまうのだろう。どうしてこんな台詞を書いてしまうのだろう。
幾度かそう思い、隔靴掻痒の感があったのだ。
しかし、ラストでこの作品に隠されていた真実が露わになると、わたしは驚愕した。
平らな世界に開いていた穴が次々に埋まっていったのだ。すべては必要なことだった。穴はわざと穿たれていたのだ。だが、事実が判明することによってその穴は見事に消失し、たとえようもなく美しい虚構世界が屹立する。
人が本格ミステリにはまるのはこの美しさに打たれるからか。素晴らしい。』

新人だから、言葉選びがもったいないなぁ・・・と思って読んでいてごめんなさい。
すべては計算されたことだったとは!!
こういう最後にスッとするミステリーはやっぱりいいですね。
posted by 竹島書店員 at 16:39| Comment(0) | 【文芸作品】