2013年11月30日

祈りの幕が下りるとき

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加賀恭一郎シリーズ最新作である。
日本橋署シリーズでもある。一応。

ミステリーの部分は、ちょっとズルいと思う展開もあり、読者として完敗でした。
きっと推理で真相にたどり着ける人はいないでしょう。
まあ、いいか。最近の東野圭吾は単純なミステリーの謎解き小説じゃあ無いですものね。
そう。事件に関わる人達の、それぞれのドラマに読み応えがあるのです。
特に、今回は加賀恭一郎自身のドラマだ。
これまでも、内容はぼかしながらも書かれていた両親の話が、語られます。

これを読まずに。いや、今すぐに買わずに、加賀恭一郎ファンは我慢できない1冊だ!

「赤い指」は息子をかばおうとする親の話でした。
「麒麟の翼」も息子を愛する父親の話でした。
ちなみに、私は小6だった息子と2人で、ほぼ貸し切り状態(笑)の映画館で見ました。
父と息子で見るべき映画だと、感動しましたねえ。
「祈りの〜」も親と子供の物語です。

きっと、この作品も映画化されるのでしょうね。
読みながら映画になった映像を思い浮かべてしまう所もありましたよ(笑)
日本橋川クルーズ(?)とかね。
何の事かって?それは、読んで探してみてください。
posted by 竹島書店員 at 19:36| Comment(0) | 草加店 兎仙人

2013年11月29日

アクティブメジャーズ

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漠然と読み始めて、なんだか前に読んだ記憶のある単語が出てきて(「ゼロ」とか)気がついた。
あっこれ「倉島警部補」シリーズだ。久しぶりだね。

刑事小説では憎まれ役の「公安」が主人公のシリーズだ。
今野さん、シリーズ物でも初めて読む読者のために、舞台の説明を必ず書くんだよね。
だから、最初の頃はちょっと「説明調」で面白いとは思わないかも。
ところが話が進み出すと、もう止められない面白い展開に。一気読みしますよ。

「公安」は刑事とは違って、殺人事件を解決することよりも、いかに国益に結びつける方向に持っていくか。が重要なんだというのが主題。
もちろん、事件を解決させますけどね。
今回、主人公は「ゼロ」の研修を終えての初仕事。これは公安の中でも「エース級」になったっていう事らしい。
主人公に求められるのは「結果」だけという厳しい世界。
そのためには上司の指示には捕らわれず、自分で判断していく。という危ない話だが。

今回、主人公には2人の部下が初登場する。
そのうちの1人が私と同じ名字で…なかなか良い役どころです。
もしかしたら、今野さん。「ジェイノベル」の私の書評を気に入って名前を使ってくれたのかも。そう思い込んだ方が、読んでいて楽しいし!

※実業之日本社の月刊誌「ジェイノベル」の「本屋さんの読書日記」
『今野敏のファンならペットは当然ウサギだぜ』って作者とファンにしか解らないようなネタを書きました(笑)
posted by 竹島書店員 at 00:14| Comment(0) | 草加店 兎仙人

2013年11月28日

よろずのことに気をつけよ

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そして、もう一つの江戸川乱歩賞受賞作の文庫化作品がこれ。
かなり風変わりな題材だ。「呪いで本当に人を殺せるのか」「呪術ミステリー」と帯にある。
つまり、そういう作品だ。

都内に住む老人が自宅で惨殺された。
家の縁の下からは呪術符(呪いを込めた「おふだ」)が見つかる。
発見した孫娘は、祖父が何故この強い呪いを受けていたのかを知りたくて、民間信仰。特に呪いに関しての専門家を訪ねてくる。
主人公は、この「専門家」の大学教授…教授じゃあなかったかもしれないけど正確なことは忘れた。ざっと読み返したが、身分についての記述をみつけられなかった。まあいいや。
で、この呪術符を作った人物=殺人犯捜しを始めるわけだ。

ちなみに、この作家の第2・3作の主人公は「法医昆虫学捜査官」
これまた、特殊な職業である。殺人の謎を解くために、特殊な職業(学者)を探し当てるっていうのは私は結構読んだ記憶がある。たぶん良くあるパターンか。
通常、知り得ない世界を推理と共に読んでいけるというのは、面白い。私はそう思う。

とはいえ、この作品では、読者が犯人を推理する事は難しいだろう。
そういう構成にはなっていない(はずだ)
いや、最後の最後に勘が良ければちょっとだけ先回りができるかもしれないが。

ラストのネタバレはできないが、こんな幕切れで良いのか?という感じはある。
いや、人によっては「良かったなあ」って思うんだろうな。
何を言っているのかって?だからネタバレはできないから、自分で読んでくれ。

あつ。一つだけ注意点が。
「呪術ミステリー」って書いてあるけど、決してオカルト小説ではない。
実際に起こりうる現象で構成されているので、犯人にたどり着くに当たって多少の偶然や都合の良い発見はあるにしても、ちゃんとしたミステリーと思って読んでもらいたい。



posted by 竹島書店員 at 21:35| Comment(0) | 草加店 兎仙人