2013年12月30日

探偵部への挑戦状

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「放課後はミステリーとともに」のシリーズ第2弾
広島県出身の作者が愛情を傾ける広島カープの話が随所に表れる作品(笑)
東京都下国分寺市の恋ヶ窪にある「鯉」ヶ窪学園高校の探偵部副部長である霧ヶ峰涼が主人公。
カープファンで弱小野球部でもコーチとして?ノックバットをにぎる…

あれ?鯉ヶ窪学園高校の探偵部って他にもなかったっけ?って思いますよね。
別の出版社(光文社)からシリーズ2冊出ていますよね。
でも、このシリーズの第1冊目には、その登場人物(多摩川部長とか)は出てこなかったので、違う時系列の話って事なのかな。と思っていたのだけれど、この第2弾には出てきました。

さて、内容は。
高校で起こる軽いミステリーをめぐる7つの短編集。
特に今回は「霧ヶ峰涼」と同様にエアコンのような名前を持つ宿命のライバルならぬ宿「名」のライバル「大金うるる」が登場。
彼女が用意したミステリーゲームで謎を解く事ができるのか挑戦してきます。
この、ミステリーゲーム。とぼけた感じの話で、面白いですね。
「ミステリ研究会」の部員がいろいろな「配役」で登場しますがその彼らがね(笑)
ネタバレストップですな。

霧ヶ峰涼は、結局どの謎も自力では解けていないと思うんですけどね。
まあ、つまりは学園の名探偵物ではなくて、謎を解いていく過程を軽妙に面白く描く作品ですね。
肩肘張らずに楽に読める東川作品ならではのミステリーですな。
posted by 竹島書店員 at 17:15| Comment(0) | 草加店 兎仙人

2013年12月23日

偉大なる、しゅららぼん

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集英社文庫の新刊です。
万城目ワールドパワー全開って、そんな感じですね。
「しゅららぼん」って何なんだ?って思いますわな。
まあ万城目だから、何か良く解らない「あやかし」関係の名前だろう…ってそうなんですけどね。
「鴨川ほるもー」の「ほるもー」よりも、なかなかその名前の謎は明かされません…

琵琶湖周辺に住む「日出」一族には、琵琶湖の力を使える特殊な能力が備わっている。
一族の中でも「本家」は石走(いわばしり)の城跡というか城だった御殿に住み、その能力のおかげで栄華を誇っている。
「日出一族」の人間は、その能力をちゃんと使えるようになるために、高校生になると本家に居候し、力の事を学ぶ。で、主人公もこの石走の御殿にやってくるわけである。

この能力の名前が「しゅららぼん」なのかと思ったが、そうではない。まあ、関係なくはないのですが。

まず、登場する万城目的登場人物は、主人公と同学年の本家の長男。若殿ですな。
いや、本当に「若殿」。考え方といい、やってしまう事といい。
その姉がまたパワフル。他にも家政婦?のパタ子さん。
そして「敵?」の棗家の長男。やはり同学年。

これらの人物達…主に若殿にだが…振り回される高校生活が始まるのである。
「ほるもー」みたいに能力を使ったゲーム的な戦いの話かなって思ったら、いやいや、大変な争いごとになっていきます。
その争いごとの相手は、また違う登場人物!
人の命のかかった深刻な結末へと話は加速してしまうのですが…
エンディングがまた、万城目的なのですよ。

「ほるもー」や「鹿男」と同じように、主人公が相手の話が良く解っていないのに勝手に解釈して問題を掘り下げない。という手法で、読者を煙にまいて話が進行します。
話が進むほどに沢山の「?」を感じながら、その種明かしを期待して読んでいきましょう(笑)

あっ。この(イラストの)表紙。2人の人物は同じ高校の生徒なのですが、違う色の制服を着ていますね。そういうイラストなのですよ。
それも、気に留めて読み始めてください。
posted by 竹島書店員 at 11:37| Comment(0) | 草加店 兎仙人

2013年12月22日

戦力外捜査官 姫デカ・海月千波

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河出文庫の新刊で「連続テレビドラマ化」の帯に釣られて読んでみた。
装丁といい、タイトルといい。どう見てもコメディだろう。もしかしてラノベか?

警視庁本部庁舎で行く先に迷っている女子高校生?を見かけた、語り手の捜査一課の刑事。
親切に案内するのだが、これが運命の分かれ道(笑)
数刻後、捜査一課の部屋に刑事部長(雲の上の存在)と共に現れた女子高生風の例の彼女はキャリアの「警部」であるという。
キャリアって、つまり大学を卒業して難関の国家公務員試験に合格して、将来の幹部候補ってわけである。
そして、語り部の属する捜査一課の火災犯係に配属されるという。
キャリアではありえない配属である。
どう見ても、役に立ちそうもない「警部」が、足を引っ張らないように…というか、余計な事をしないように…語り部の刑事が「お守り役」に任命される。

ああ。やっぱりコメディだね。これ。

折悪しく連続放火事件が発生中で、この「警部」と語り部の刑事も現場へ。
火災現場で近くの柿の木に登って降りられなくなって落下。
捜査本部で無視され、めでたく「単独遊軍捜査班」になり…はっきり言って目出度くない。語り部刑事は左遷の危機。

と言う具合に、コメディタッチの話は進展する。

が、意外に(失礼)二転三転するしっかりしたミステリー。
そしてこの「警部」の正体は!

というわけで、結構読み応えのあるミステリーだったわけです。
この「警部」=海月千波の役を武井咲がやるみたいですが、表紙の絵と比べるとちょっと違うような気がしますが…
posted by 竹島書店員 at 00:13| Comment(0) | 草加店 兎仙人