2014年01月09日

「亡霊ふたり」  詠坂 雄二  東京創元社

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竹島書店蒲生店 文芸書担当オススメ本

「亡霊ふたり」  詠坂 雄二  東京創元社

名探偵の資質とは、謎を解き明かす能力以上に、謎に出合う能力。名探偵志願の女子高生は、そうそう出合えるわけもない魅力的な謎を求め、日夜努力を積み重ねる。自らの探偵活動に、彼女は毎度ボクシング部所属の男子高生をつき合わせるが、彼女は知らなかった―彼が卒業までにひとをひとり殺そうと計画している、殺人者志願の少年であることを!ミステリというフィルターを通してしか書き得なかった、ヴィヴィッドな青春小説の傑作登場。

名探偵志願の女子高生と、殺人者志願の男子高校生と相反する二人が出会い事件に向かっていくストーリーです。
結論からいうと面白かったです。
ただ詠坂さんが東京創元社から出した!!という期待とはちがう面白さでした。
あらすじを読めば書いてあったのですが、あくまでミステリを通した青春小説でありコテコテの謎を求める方には物足りないかもしれません。
しかし、相反する二人が出会いお互いに成長していく過程は純粋な青春小説では味わえない味をだしています。
なぜなら殺人者と名探偵という、よくある不良と優等生どころではない距離間ですから・・・
読後感もスッキリして読みやすく誰にでもおすすめできる一冊です。

凝りに凝り読みにくい通好みの方はデビュー作の「リロ・ぐら・シスタ」がオススメです。

2013年12月06日

「名探偵の証明」 市川 哲也  東京創元社

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竹島書店蒲生店 文芸書担当オススメ本

第23回鮎川哲也賞受賞作です。
何々1位や何々が選ぶ等が星の数ほどある中、個人的に信頼度が高いので毎年楽しみにしている賞です。
あらすじとしては隠居生活を送っていた名探偵が再起をはかり、現代のアイドル探偵と対決をするといったものです。
なるほど、その対決をどんでん返しで看破して復帰する話だな!と思いきや・・・
小説や漫画の中では当たり前のように殺人事件に遭遇してしまう「名探偵」に関してメタ的な言及があり、本人もそれを「名探偵」の宿命として受け入れている所にニヤニヤしてしまいます。(東野圭吾のあの作品ほどではないですが(汗))

傾向としてトリックやロジックを重視した本格ミステリが受賞する傾向が強い本賞ですが、今作は若干趣が違います。
正直なところトリックや構成には荒さが目立ちます。
ただミステリの主役である「名探偵」にスポットをあてて、その葛藤や苦悩そして喜び、やりがいを描いた部分は例がなく引き込まれること請け合いです。
荒さのあるトリック部分も王道を勉強しているなという印象をうけるのでこれからが楽しみな新人作家です。